夜中にふと目が覚めた。
右のこめかみ部分がこそばゆい。
そっと手で触って見る。細くて小さい何かが蠢いている。
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・!」
夜中にも関わらず奇声を発し、蠢くモノを咄嗟に掴んで投げた。

嫁が飛び起きる。
何があったのか自分でもわからない。
次第にこめかみがジンジン疼いてきたので、虫かナニかに噛まれたと嫁には説明した。

目が冴えたのと痛みでなかなか寝れない。
唸るボクを尻目にグースカと寝ている嫁に若干イラつきながらも、実は嫁の方に虫をぶん投げていたので多少の罪悪感を抱えつつ、なんとかガンバって寝た。

翌朝痛みはだいぶ治まっていた。恐る恐る鏡を見てみる。
ちょっと腫れている。あれは一体なんだったのだろう・・・。

感触としては2~3センチくらいの細長いモノ。ヤスデかと思ったがヤツが噛んだというのは聞いたことがない。
小さいムカデかもしれない。
とはいえボクが住んでるところは田舎の中ではそこそこ都会。三豊平野のド真ん中の住宅街である。
生まれて此の方寝てる時に、蚊以外の虫を顔に乗せたことはない。
謎は深まるばかり・・・。

若干の痒みと痛みだけやったんでムヒを塗り放置する。
すると昼過ぎたあたりからドンドン腫れがひどくなってきた。
こりゃアカンと皮膚科にいく。
先生曰く
「ムカデやな、ちいさいムカデでよかったなぁ。自分どこに住んでるん?」

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「ここより都会じゃボケナスー!」

と言えるはずも無く、さらに「人によってはアナフィラキシーショックの可能性もなきにしもあらずなので、もう噛まれたらアカンよ」とのありがたい言葉をいただいた。
噛まれるつもりは毛頭ない。

ムカデを見たわけではないのでムカデかどうかわからんが、とにかく先生がムカデというので、メンドクサイからムカデということにした。
二撃決殺とはムカデもなかなかやるな・・・。

もうほとんど痛みも痒みもなくなったのだが、時間がたって腫れた部分の色が濃くなってきた。
パッと見、ぶん殴られた人みたいになってるのでカッコ悪い。
画像をアップしようと写真を撮ったのだが、アップにすると腫れあがった部分以外モザイク必至の見るに耐えないレベルだったので即刻削除した。

なんの対処もしてないのでムカデらしきものは未だ部屋の中にいるであろう。
また顔が腫れるのはゴメンなのでバルサンでも炊こうかな。